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【経営者の想いとは・・・】 ~代表 中山 幹男~

2020年10月01日

クライアント先で経営トップと一緒に経営戦略を議論、立案する場面がたびたびあるが戦略は経営者の「想い」が

 

ないと立案できないと常々考えている。経営者の「想い」とはどんな事業をしたいか、顧客に何を提供したいか、

 

世の中の為に何をしたいのか、自社の強みは何か、従業員をどう育てたいのか等、が必要である。この「想い」が

 

ない金儲け主義だけの経営では長続きしない。特に収益を気にしすぎるあまり、本業ではない色々な事業に手を出

 

して失敗するケースを多々見てきている。

 

 

 

経営とは外部環境の変化に柔軟に適応しながら、自社の強みを活かし、顧客が期待する価値を提供し、結果として

 

対価を得、収益を上げることである。この基本原理に沿ってどんな事業をするのか、強い「想い」を持つ事が重要

 

である。

 

 

 

長年、経営コンサルタントとして色々な企業のトップとお付き合いをしていると、下記のような経営者の想い、思

 

想、行動の違いを感じる。

 

 

1.関心事が売上、利益の結果のみで、事業の関心度が低く部下にまかせっきり

 

2.顧客満足が最重要課題で顧客との面談に時間を使い、会社にほとんどいない

 

3.社内の事ばかりが気になり、顧客とはほとんど面談せず、社内の仕組みづくり組織改善等に没頭する

 

4.従業員満足がもっとも大切で顧客満足は二の次

 

5.新しい仕掛けが最重要課題で攻めの姿勢が強すぎ、守りの経営が弱い

 

6.経営成果の売上、利益を達成する為に外部環境変化に適応しつつ、常に顧客満足、従業員満足

 

  を図りながら事業をバランスよく推進し、世の中の為に事業を展開する事に強い想いをもつ

 

 

この中で私が考える理想の想い、思想は当然ながら6番目の経営者の想いである。このような想いを強くもった先

 

人の商人、経営者は多くいる。

 

 

 

滋賀県の近江商人の言葉に「3方よし」という言葉がある。近江商人の行商は、他国で商売をし、やがて開店する

 

ことが本務であり、旅先の人々の信頼を得ることが何より大切であった。そのための心得として説かれたのが、

 

 

り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」である。取引は、当事者だけでなく、世間の為にもな

 

るものでなければならないことを強調した。

 

 

 

松下幸之助が水道哲学という考え方を唱えた。

 

「産業人の使命は貧乏の克服である。その為には、物資の生産に次ぐ生産を以って、富を増大しなければならな

 

い。水道の水は価ある物であるが、通行人が之を飲んでも咎められない。それは量が多く、価格が余りにも安いか

 

らである。産業人の使命も、水道の水の如く、物資を無尽蔵たらしめ、無代に等しい価格で提供する事にある。そ

 

れによって、人生に幸福を齎し、この世に楽土を建設する事が出来るのである。松下電器の真使命も亦その点に在

 

る」

 

 

 

物資を潤沢に供給することにより、物価を低廉にし、消費者の手に容易に行き渡るようにしようという思想であ

 

る。

 

 

現在のコロナ禍の環境で業績不振で苦しんでいる経営者が増えていると思うが、このような環境下であるからこ

 

そ、「近江商人」、「松下幸之助」のように世の為、人の為に事業を進めるという前提で強い「想い、思想」を持

 

ち経営を推進すべきと考える。

 

 

 

経営者兼経営コンサルタントという立場であるが、私もこのような「想い」を強く持ち、日々精進したいと考え

 

る。