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【業務の見える化・標準化】 ~山口 幸輝~

2023年11月01日

皆さま、こんにちは!

 

A&Mコンサルト、専門コンサルタントの山口です。

 

10月のホームページブログは、山口が担当させていただきます。

 

今回は「業務の見える化・標準化」の話です。

 

 

先日「付加価値のつくりかた~一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質~」という本を読みました。

 

キーエンス出身の著者がキーエンス流の付加価値に関する考え方を記した本です。

 

付加価値の定義から、付加価値の創造の方法まで記載されている本なのですが、この本の終盤で、「作業ではなく仕事をする」という話しが出てきます。

 

その中で「仕事」と「作業」は分けて考えることが大事だと語っていました。

 

 

例えば、上司から資料整理を依頼されたとします。

 

このとき上司から言われた資料整理をするだけでは、仕事とは言わず「作業」だと著者は断じています。

 

なぜなら、高付加価値をつくる仕事を増やして、高付加価値を生まない作業を減らしていかなければならないからです。

 

ここでいう「作業」とは、誰でもできる状態になったもののことです。

 

そして今回のお題の標準化に該当します。

 

さらにキーエンスでは、作業はアウトソースするそうです。

 

なぜなら、最小の資本と人で最大の付加価値を上げるためには、資本も人も少ない方がよいからです。

 

 

さて、なぜこのような話を持ち出したかというと、業務の見える化や標準化を行うと社員が学ばなくなる、

 

という話しを様々な所で聞いていると感じているからです。

 

 

私の前の職場でも、設計業務の見える化や標準化はほとんど実施されていませんでした。

 

社員は、過去に先輩社員が作成した図面を見て、どのようにして図面を作ったのか思考をトレースして内容を

 

理解することが求められました。

 

 

また設計業務を見える化したり標準化すると、社員が作業的に設計をするようになり、考えなくなるから困る、

 

といった話も社外で耳にしていました。

 

 

このようなデメリットがある一方で、見える化・標準化するメリットとしては、設計業務の効率化が図られ生産性が向上します。

 

 

生産性向上は行いたいが、学ばない社員にはなってもらいたくない。

 

 

両立する方法はないのでしょうか?

 

 

私は、業務は可能な範囲で見える化や標準化を実施して生産性を向上させることに賛成です。

 

なぜなら、生産性を向上させることで生まれた時間を、新たな知識・技術の獲得に費やす事ができるからです。

 

 

つまり、標準化された内容の知識を前提に、その先の知識・技術を用いた仕事を実行もしくは開拓することで、

 

学ばない社員は生まれないのではないかと考えています。

 

 

例えば、中学生では2次関数を学びますが、2次関数を理解し使いこなすためには、四則演算はもちろんのこと、

 

時には因数分解、連立方程式などの知識が必要になります。

 

したがって、例えば因数分解が自動で行えるソフトウェアがあったとしても、2次関数が自動化できていない場合には、

 

2次関数を扱うために因数分解を理解している必要があります。

 

 

同様に業務においても、より付加価値が高い高次の仕事を行うために、既知の仕事を見える化・標準化して作業レベルに落とす。

 

そのための業務の見える化や標準化であれば、生産性向上が図れるのではないでしょうか。

 

 

私が海外の会社とお付き合いした時には、各社独自の設計ツールを開発している企業や標準設計ツールを用いて、

 

誰でも簡単に設計や機器選定ができる仕組みになっている企業を見てきました。

 

一方で自分達は毎回ExcelやWordを使って計算して書類を作っており、圧倒的な生産性の差を感じていました。

 

 

企業の競争相手はもはや国内だけではなく、世界中の企業です。

 

競合他社に追いつき、追い越すためにも、

 

より付加価値が高い業務を行うための業務の見える化・標準化を推進していくことが競争力の強化に繋がると考えています。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。