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【コア技術の重要性とまとめ方】 ~中山 聡史~

2021年11月01日

今回はコア技術の内容を皆さんにお話ししたいと思います。

 

 

コア技術と言われて、何を思いつきますか??

 

「御社のコア技術はなんですか??」・・・

 

と問われ、すぐに答えられない人はいませんか?

 

 

本来、製造業であれば、基本機能を実現させるためのコアな技術があり、競合他社と競争することができ、さらに差別化を図るため

 

新たな付加価値となる技術を生み出します

 

 

その新しい技術が、コア技術となり、その会社特有の技術に認定されていくのです。

 

 

時代は流れていますから、付加価値だと思っていた機能が、当たり前の機能(基本機能)となるようなことは、多く発生するでしょう。

 

しかし、基本機能を実現するための技術内容は各社異なっています(もちろん、同様の技術もあるでしょう)。

 

その異なる部分が、重要であり、その企業になくてはならない技術=コア技術なのです。

 

 

 

今の時代の設計のやり方は流用設計が基本です。

 

流用元を検討し、そこから新規設計部分、新規組み合わせ部分を検討します。

 

しかし、流用元がどのような機能を保有していて、それを実現するために何の技術が使用されているかの検討などは全くしていません。

 

設計者はその企業のコア技術を知らず知らずのうちに使用しているのです。

 

しかも、それがどれだけ付加価値を生み出すのかも全く知りません。

 

とにかく、顧客に言われた納期に間に合わせ、コストを少しでも低く、高い品質を持つ製品を必死になって開発しているのです。

 

当然ですよね。

 

コア技術が視えるようになっていない状態で、設計者に理解しろ!といっても無理があります。

 

また、コア技術は大抵の場合、属人化していることが多い

 

では、その人が退職したらどうなるのでしょう。

 

残っているのは技術資料と図面、製品のみです。

 

ここからコア技術を抽出しようと思っても、他社製品のコア技術を抽出するのと同じく、非常に困難であり、

 

抽出しようにも多くの時間がかかってしまいます。

 

そのようなことにならないように本来は、その「企業が保有しているコア技術が何か」を視える化する必要があります

 

しかも、体系化し、常にその技術がすぐに使用できる状態になければなりません。

 

 

コア技術の体系化の部分を少しだけ紹介しましょう。

 

 

各システムやユニットにおいて、どのようなコア技術項目があるかのマトリックス図を作成していきます。

 

コア技術項目は、例えば構造技術。

 

「機能を実現するために必要な他社には真似できない特別な構造内容」のことです。

 

構造技術のような項目を定義し、製品毎にコア技術を抽出していきます。

 

コア技術を抽出したら、次は詳細な技術内容です。

 

 

項目だけ抽出しても、視える化にはなっていません。

 

詳細な技術内容を明確にし、誰の目にも視え、分かるような技術資料が必要となるのです。

 

 

例えば、下記のような内容です。

 

① 部品名

② 新技術の項目

③ 新技術の内容

④ 開発時点で検討した内容

⑤ 新技術を活用した効果

 

特に④は、開発時に評価した内容や検討した内容(失敗に終わった内容も)をノウハウとして蓄積するために記載することが必要です。

 

新しい技術というのは様々な失敗から生まれてくるものですので、その失敗をノウハウに変換しなければなりません。

 

 

皆さま、いかがですか。

 

今からの時代は人にノウハウがつくのではなく、会社に蓄積するということが求められます

 

そのためにもこのようなノウハウの蓄積に対する活動を今からでも始めてみましょう。