株式会社 A&Mコンサルト

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「固定観念から抜け出し、柔らかい頭で考えるためのヒント」 ~中西 正行~

2025年11月25日

10月のブログを担当させていただきます。

 

専門コンサルタントの中西です。

 

最後までお付き合い、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

皆さまは、仕事や私生活で「こうあるべきだ」という思い込み(固定観念)にとらわれ、

 

かえって物事の本質が見えなくなってしまった経験をお持ちでしょうか?

 

 

特に、新しいプロジェクトや開発業務のように、常に考えることが求められる仕事において、この固定観念は新しい発想の妨げになりがちです。

 

 

私自身、この固定観念に縛られた経験があり、今思い出すと少し恥ずかしい経験があります。

 

 

今回はその体験談と、そこから学んだ「固定観念から抜け出し、柔らかい頭で考えるためのヒント」についてお話ししたいと思います。

 

 

私が高専でロボコンに打ち込んでいた時のお話しですが、部室で作業をしていると、顧問の先生が新入部員たちに、

 

部品製作の課題を出していました。

 

 

「アルミのL字アングル2つを、ネジ3本でズレなく固定する」

 

という課題に対し、新入部員たちは試行錯誤しながら部品を加工していきました。

 

 

結果は想像していた通り穴の位置がずれ、ネジが入らない、面が合わないといった問題が発生し、

 

上手く加工できた人は一人もいませんでした。

 

先生は

 

「穴は加工でずれる事を想定してバカ穴にする。」

 

「位置決めは、定盤に2つの部品を沿わせた状態でネジを締める。」

 

などの要点を説明していました。

 

 

当時、加工にはある程度の自信を持っていた私は「自分なら精度良く加工できるので、バカ穴はあける必要は無いだろう」と考え、

 

新入部員が帰った後に同じ課題に挑戦してみました。

 

 

しかし、結果は失敗。重ね合わせた部品の穴のズレを見て、「これはダメだ」とすぐに分かりました。

 

結局、一度あけた穴を広げて“バカ穴”にし何とか形にしましたが、自分の未熟さを痛感しました。

 

 

社会人になって気づいた「先生の教えたかった事」

 

その後、社会人になった私は複合機の設計に携わる事になりましたが、板金部品の設計を行っている時に突然この記憶がよみがえってきました。

 

「先生が教えたかったのは加工の難しさではなく、設計の考え方だったのだ」

 

とその時初めて気づき、驚きと共に心から「なるほど」と納得したのを今でも覚えています。

 

 

学生時代の私は「位置決めは、精度の高い穴で行うべきだ」「そのためには正確に穴をあける必要がある」

 

という固定観念から、加工技術の視点でしか課題を捉えられていませんでした。

 

「本来の目的」は、L字アングル2つをぴったりと固定することであり、ネジと穴はそのための手段の一つにすぎません。

 

仕事で部品の使用目的に対する形状を一から考え、「目的」と「手段」の切り分けを行っている中、初めて「固定観念」があった事に気づいたのです。

 

この経験は今でも私の中で「固定観念」を振り払い、頭をリセットする為の教訓として残っています。

 

固定観念から抜け出すための方法まとめ

 

①「本来の目的」を改めて考えなおす。

 

②「目的」の為の「手段」を整理する。(手段が目的になっていないかを確認する)

 

③改めて「目的」を達成するの為の「手段」を選び直す。

 

私は、先ほど紹介した経験を反省材料に、「固定観念」に縛られていないか、本来の目的から反れていないか、時々確認する事を心掛けています。

 

皆様は日々の業務などで行き詰った時に、どのような方法で打開策を見つけ出しているでしょうか?

 

今回紹介させて頂いた方法が参考になりましたら幸いです。