株式会社 A&Mコンサルト

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【自己紹介と過去のエピソード】 ~中西 正行~

2023年05月31日

皆さま初めまして。

 

2023年1月にA&Mコンサルトに入社しました、中西正行です。

 

今月は私がブログを担当させていただきます。

 

 

第1回目ですので、簡単な自己紹介と過去のエピソードを紹介させて頂こうと思います。

 

 

私は、高専を卒業後、大学・大学院を経て電機メーカーに就職しました。

 

約15年間、複合機事業に携わり、開発部門での設計、品質部門での製品設計審査の業務に従事し、その後A&Mコンサルトに入社しました。

 

私が技術者となったきっかけは、たまたまNHKの高専ロボコンを見て面白そうと思い、高専に入学したことだと思っています。

 

高専では、授業で習った電子回路などを実際に自分で製作して、オリジナルに改良してみたり、機械設計では勘を頼りに作っていたロボット部品の強度を改めて計算してみたりと、

 

勉強したことが実際に試せる機会が有り、非常に良い経験ができたと改めて感じています。

 

 

 

大学では安全工学を専攻し、機械の安全設計の重要性を色々と考えさせられました。

 

それまで効率、性能の事しか考えずに作っていたロボット設計の考え方を大きく見直させられました。

 

機能・性能の上位に来る安全工学の考え方は、当時の私には目から鱗でした。

 

「人にやさしく」「絶対安全」の概念は今でも、おそらく死ぬまで私の設計の最優先事項です。

 

 

さて、社会人になってからの経験を改めて思い返している中で皆様にお伝え出来る事に何が有るかと考えましたが、

 

まずはどんな仕事、仕事に関わらずただ生きていくだけでも誰しもが行う、情報のインプットと行動・アウトプットについて、

 

私なりの考えを紹介したいと思います。参考になれば幸いです。

 

 

どんなものにも、インプットとアウトプットが有ります。

 

当たり前のように誰しもが普段生活する上で、何らかの情報を得て、行動しています。

 

そのインプットとアウトプットについて少し掘り下げてみたいと思います。

 

 

目や耳から受けた情報を人それぞれでどのように処理されるかですが、まず目・耳などの五感を司る体があります。

 

次に、知識、経験があり、これらに照らし合わせて脳で無意識に思考をめぐらし、処理・判断を行った結果、行動・アウトプットを行います。

 

当たり前ですが、良いアウトプットを得るためには、良いインプットと、良い処理が必要です。

 

次に、体から離れて、一つの仕事やプロジェクト(日課の行動など)を考えてみます。

 

自分がもし、仕事や私生活、趣味などで、何かもう少し良い結果を出したいと考えた時に、取れる手段には何が有るでしょうか。

 

アウトプットを変える要素、それには、インプットを変えるか、処理を変えるかしかありません。

 

(残念ながら、誰かが良い結果を持って来てくれる事は期待してはいけません。それが現実です)

 

 

より良い結果を求める時に、皆さんならインプットと処理のどちらを変えてアプローチしてみるでしょうか。

 

ここではより自由度の少ない、否応なくやらなければならない「仕事」で考えてみます。

 

ルール、手順が決まっている場合には、処理方法を勝手に変えてはいけません。

 

インプットも決まっている場合が多いです。

 

え?変えられない?・・・あきらめるしかないですね・・・では話が終わってしまいますので、そこで一工夫必要です。

 

 

わかりやすい例かどうか分かりませんが、私が技術者という事もあり、設計・開発の面の基本の基の字VEという言葉から考えてみる事にします。

 

 

ご存じの方も多いかと思いますが、VEはValueEngineeringの略で Value(価値)= Function(機能)/ Cost(コスト・費用)

 

商品Aを販売しているとして、現状維持では売り上げは下がる一方です。

 

売上を維持・向上させる為に、開発者は日夜「価値」を上げる取組みを行います。

 

「価値」を上げるには「機能」を維持したまま「コスト」を下げるか、「コスト」を上げずに「機能」を上げるか。

 

もしくは両方を上手く調整してコストアップ以上の機能向上を図るかです。この選択を迫る用語がVEです。

 

VEの考えで仕事を見てみると、皆さんの業務に対してもやり方の改善が見えてくるかもしれません。

 

インプットが変えられない、処理の手順も変えられない。

 

 

そういった面白みの少ない仕事に対して出来る事は何でしょうか。

 

 

1つの答えが徹底的なコストカットです。

 

何のコストを変えるんだ?VEの話じゃないの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、

 

コストはVEの重要な要素です。

 

上記の仕事で出来る事は1つしかありません。

 

コストカット・・・それも人件費の削減です。

 

人件費は単純に考えて、人件費 = 時給 × 時間

 

この中で私・あなた自身が変えられるのは・・・時間しかありません。(時給はむしろ上げて欲しいくらいですね)

 

 

では、インプットが決まっていて、処理方法も決まっていて、アウトプットも予測できる仕事。

 

やり方の決まっている作業で作業時間を減らすには、どうすればよいでしょうか。

 

それは・・・

 

1.視える化する

 

2.マニュアル化する

 

3,半自動化する

 

です。

 

私の前職の業務では、ひたすら複合機でコピーを行って、印刷画像のスジや汚れを見るという仕事が有りました。

 

Agingという複合機の消耗品のライフ試験の一環ですが、真冬から真夏を想定した温湿度の環境試験室の中で、

 

毎朝1時間以上コピーを取って、画質をチェックする作業を繰り返すのは非常に大変な作業でした。

 

 

まずは、その面倒で面白くない仕事を視える化してみましょう。

 

視える化には、作業の手順を整理する必要が有ります。

 

すでにマニュアルが有る場合にも、面倒ですが、ワークフロー(フローチャート)を作ってみましょう。

 

その時、それぞれの作業にかかる時間も測っておいた方が後々に役に立ちます。

 

ワークフローを書くと、途中、条件によって違うルートで処理を行う場合が出てくるかもしれません。

 

大変ですが、分岐する場合も一通り書き出してみましょう。

 

 

複合機では・・・

 

①マシンを起動する

 

②用紙をカセットにセットする、チャートを原稿台に置く、コピー画面を開く

 

③各種設定をする

 

④コピーボタンを押す

 

⑤印刷を待つ

 

⑥印刷された物に設定を書き込む(どんなモードで印刷されたか分かるように)、次のモードでコピーする

 

⑦印刷されたものをチェックする

 

⑧スジ等が有れば、発生個所を特定

 

⑨原因分析

 

⑩全て問題なければ、Aging(印刷試験)開始

 

さて、一通り書き出せた後は、作業の途中途中での注意点をかき出してみましょう。

 

どの条件でも、正しいアウトプットが出る流れになれば作完了です。

 

 

さて、ここでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は2.のマニュアル作成もここでほぼ完了しています。

 

ワークフローと注意箇所のチェックリスト、そのものがマニュアルです。

 

それも最も丁寧なものと言えます。簡略化し、見栄えの良い物を作成してもよいですが、全てはこのワークフローをベースに作ることになります。

 

 

このマニュアルの作成で、作業時間短縮の準備が整いました。

 

実は、すでに一部の作業時間が短縮されています。

 

これは、ワークフローが出来たことで途中の判断が迅速に行える、ミスが減る事です。頭が整理出来ていることも非常に大きい意味を持ちます。

 

次に、ワークフローが有ると、自分以外の人に業務を任せる事が出来ます。新人に仕事の内容を教える時にも大いに役立ちます。

 

勘の良い人はお気づきでしょうか、実はここで、コストを下げる時に変えられないと考えていた、時給にもメスが入れられることになります。

 

分かりやすく整理されたその作業は、別の誰かにやってもらう事が出来るからです。

 

人に仕事を頼める交渉の土台をようやく得たことになります。

 

繁忙期には「全体最適の観点から、他のメンバーや別の部署の方に依頼したい」

 

「なぜなら、誰でもできるように手順が整理された仕事ですから」などと、

 

大義名分を持って上司と交渉出来たら仕事が少しは面白くなると思いませんか?

 

そういったネタとしてもぜひ活用し、自分自身の交渉力の一助として頂ければと思います。

 

 

次のステップが半自動化ですが、また別の機会にお話しできればと思います。

 

最後までお付き合いいただきました皆様、ありがとうございました。